部下が本音を話さない1on1、質問設計で変わる3つのコツ
1on1が「進捗確認」で終わってしまうチームは、対話の質が失われがちです。質問の視点を変えるだけで自発的な相談が2倍になった実例をもとに、リーダー向けの質問設計3つのコツを紹介します。
「今月の1on1、何か話しました?」と聞かれて「特に…」としか答えられないメンバーが増えていませんか。多くの現場で1on1は「実施すること」自体が目的化し、対話としての機能を失いつつあります。
形だけの1on1が量産される現場
週次で30分の1on1を義務化しているのに、話す内容は業務進捗の確認だけで終わってしまう。あるいは「最近どう?」という漠然とした質問から始まり、メンバーが当たり障りのない返答で終える。ある20名規模のエンジニア組織では、1on1の実施率が100%に達した一方で、エンゲージメントサーベイのスコアは半年間ほぼ横ばいのままでした。実施件数を追うKPIは、対話の質までは保証しないことが浮き彫りになった例です。
質問が「進捗確認」に寄りがちな理由
原因の多くは、リーダー側の質問設計にあります。「順調?」「困っていることは?」という質問は、メンバーに"評価されている"という緊張感を生み、本音より無難な回答を選ばせてしまいます。さらに多くのリーダーは1on1を「マネジメントのための情報収集の場」と位置づけがちで、メンバーの成長支援や意思決定支援という視点が抜け落ちています。結果として質問の矢印が常に業務側を向き、キャリアや価値観への問いかけが後回しになります。
質問を変えるだけで対話が変わる3つの工夫
- 進捗ではなく「選択」を聞く:「今週何をやったか」ではなく「今週、どんな判断に迷いましたか」と聞くと、思考のプロセスが見えてきます。
- クローズドではなくオープンな質問から始める:「順調?」ではなく「今、一番エネルギーを使っていることは何ですか」と聞きます。
- 直近ではなく半年先を聞く:「半年後、どんな仕事をしていたいですか」という問いを月1回だけ混ぜることで、キャリアの方向性を継続的に確認できます。
ある企業では、この3つの質問パターンを1on1シートに組み込んだところ、メンバーからの自発的な相談件数が3ヶ月で2倍になったという報告もあります。質問を変えることは、コストゼロで始められる再現性の高い施策です。
さいごに
1on1の目的は「実施すること」ではなく、メンバーが本音で考えを言語化できる場をつくることです。次回の1on1では、まず質問を一つだけ変えてみてはいかがでしょうか。
私たちエイトでも、対話を大切にするエンジニア組織づくりを進めています。マネジメントやチームづくりに関心のある方は、採用についてもお気軽にお問い合わせください。